現代音楽偉人伝 第2章『伊福部 昭』のあとがき
皆さんこんにちは。
ある時は無頼のベーシスト
ある時は気まぐれ作曲家のyoukeyです。
突然ですが皆さんは「ゴジラ」は好きですか?
僕は超がつくほど大好きなんですよ。
どれくらい好きかって、そりゃ物心付く前からゴジラに夢中だったんですよ。
だって大きくて強くて最高じゃないですか。
2,3歳の頃からゴジラのVHSばっかり観ていたらしく、僕の親は「そんなに好きなら」と、近くのデパートでゴジラの着ぐるみショーが開催されるのでそれに幼い僕を連れていったんですね。
そうしたら予想に反してゴジラが登場した瞬間大泣きだったらしいです。
もうこの世の終わりかと思うくらい泣いたそうです。
でも帰りにゴジラの本を買ってあげたらご機嫌になったそうです。
小さい時から僕は訳のわからない人間だったんですね。
感無量です。
伊福部昭の世界観、「音楽のスターシステム」
さて、本題に入りますと
今回、現代音楽偉人伝 第2章『伊福部 昭』を投稿した際、ニコニコ動画の方でこんなコメントがつきました。
「音楽のスターシステムだ」
僕はこれを見て「ああ、なるほどな」と感じました。
まずスターシステムとは何ぞや?という話なのですが、同じ作者が作り出した同じ絵柄のキャラクターを複数の作品に違う役柄を与えて登場させる手法です。
これは漫画家の手塚治虫先生が考案したらしく、言われてみれば「ハムエッグ」とか「猿田彦」とかは別の名前を与えられて他の作品でもよく見かけますね。
伊福部先生は200本を超える映画の音楽を担当し、その中で数え切れないほどの楽曲を残したのですが、その多くが過去の自らの作品からの引用を用いているのです。
例えば、有名な「ゴジラのテーマ」ですが、実はこれにも引用元の作品があるんですね。
それが初代ゴジラの公開の少し前に公開された映画「社長と女店員」のオープニングで使用された曲です。
そのまんまゴジラですね。ありがとうございました。
しかしあの複合変拍子の独特なメロディーが、ゴジラが発案される前からあったなんて驚きですね。
「いや、パクりじゃん!」だって?
いえいえ、同じ作曲家なんで全然問題無いんですよ。むしろこれがあのおどろおどろしい楽曲に進化するんですから、こういうのは感慨深いものです。
これだけではありません。
ゴジラのテーマ同様、引用から生まれた名曲はまだあります。
それが「怪獣大戦争のマーチ」です。
怪獣大戦争マーチ ロングバージョン ~Invasion of Astro-Monster march longVer.~
曲の入りから誰もが「あ~」と気がつく楽曲ですね。
現在は「自衛隊のテーマ」として有名ですから。
実はこれも、引用元の作品があり、それが伊福部先生が戦時中に海軍の依頼で作曲した「吉志舞」という曲です。
こちらもなかなか壮厳な曲ですね。
「怪獣大戦争マーチ」はこの「吉志舞」のメロディーから引用して作られているのです。
このように伊福部先生が関わった作品には、過去の伊福部作品の要素が唐突に現れたりするんですね。
特にゴジラシリーズに関しては「日本狂詩曲」の一部や、「ピアノ組曲」がそのままアレンジされた曲が出てきたりと、言ってみれば別の楽曲なんですが「どこかで聴いたことがあるぞ?」と思う部分がよく出てきます。
こういうのを探すのが、伊福部作品の最大限の楽しみだったりするんですよ。
まさに音楽のスターシステムですね。
もし、現代音楽偉人伝の動画をご覧になったことがない方は、この機会に是非一度観てみてください(´ω`*)
それでは皆さん、良い1日を♪